「地方に転職したいけど、年収が下がるのが不安」
この悩みはとても多く、転職の意思決定を止めてしまう最大要因になりがちです。
ただし、転職後の暮らしの余裕を左右するのは額面年収だけではありません。
家賃・通勤などの固定費、税金・社会保険料、残業の有無まで含めて、次の3点で比較すると結論が変わるケースは珍しくありません。
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① 手取り(税金・社会保険控除後)
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② 実質手取り(手取り − 固定費)
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③ 生活の余裕(通勤時間・残業時間など時間コスト)
この記事では「地方転職=年収ダウンは本当か?」を、データの見方と判断軸で整理し、最後に後悔しないためのチェック表を用意しました。
目次
- 地方転職で年収は下がる?結論と判断軸
- 年収差が生まれる理由(都市部と地方の構造の違い)
- 「手取り」を左右する税金・社会保険の基本
- 生活費の差で逆転する:家賃・通勤・車・子育て
- 簡易シミュレーション:年収が下がっても楽になるケース
- IT職・エンジニアは地方でも維持・UPが狙える理由
- 後悔しないためのチェック表(面接〜内定後)
- まとめ:比較軸を変えると、結論が変わる
- 地方転職の「手取りと生活費を含めた実態」を求人ベースで一緒に確認しませんか?
地方転職で年収は下がる?結論と判断軸
結論から言うと、地方転職で額面年収が下がるケースはあります。
一方で、家賃や通勤などの固定費が下がり、残業が減り、子育て支援が受けやすくなることで、生活の余裕(実質手取り+時間の余裕)が増えることも十分に起こります。
つまり判断すべきは「年収が上がる/下がる」ではなく、次の3点です。
- ① 手取り(税金・社会保険控除後)
- ② 実質手取り(手取り − 固定費)
- ③ 生活の余裕(通勤・残業時間)
この3点で見れば、地方転職は「年収ダウン=生活ダウン」とは限りません。

年収差が生まれる理由(都市部と地方の構造の違い)
都市部と地方で年収差が生まれやすい背景は、主に「地域の構造」にあります。能力の問題ではなく、市場の違いとして理解すると判断がブレにくくなります。
具体的には、次の4つが代表的です。
- 産業構造:本社機能や高付加価値産業が都市部に集まりやすい
- 企業規模:都市部は大企業比率が高く、賃金テーブルが高くなりやすい
- 職種需給:地域によって求人の厚みが違い、相場が変わる
- 地域手当/採用相場:同じ職種でも提示額が地域相場に寄る
都道府県別・職種別の賃金を確認するなら、政府統計ポータル(e-Stat)の「賃金構造基本統計調査」が便利です。
出典:上記 e-Stat

「手取り」を左右する税金・社会保険の基本
転職比較でよくある落とし穴が、額面年収だけで見てしまい手取り(可処分所得)を試算していないことです。
給与からは税金・社会保険料などが差し引かれます。
最低限おさえる控除項目
- 健康保険:協会けんぽの場合、保険料率は都道府県で異なります。協会けんぽ「令和7年度保険料額表」
- 厚生年金:標準報酬月額に応じて決まります。日本年金機構「厚生年金保険料額表」
- 雇用保険:年度ごとに料率が見直されます。厚生労働省「令和7(2025)年度 雇用保険料率」
- 住民税:計算の考え方は自治体ページが分かりやすいです。東京都主税局「個人住民税」
ポイントは、比較を「年収」ではなく「月の手取り」で行うことです。
内定後に給与条件が出たら、手取りを一度試算してから判断しましょう。
出典:協会けんぽ/日本年金機構/厚生労働省/東京都主税局
生活費の差で逆転する:家賃・通勤・車・子育て
地方転職の“逆転要因”になりやすいのが生活費です。
特に家賃は固定費の中でも影響が大きく、月3万円下がるだけで年36万円の差になります(3万円×12か月)。
家賃相場は公的統計でも確認できる
家賃相場は不動産サイトだけでなく、e-Statの「住宅・土地統計調査」でも参照できます。
エリア比較の根拠として使いやすいデータです。e-Stat「住宅・土地統計調査(借家の家賃)」
出典:上記 e-Stat
地方で増えやすい支出:車コスト
一方で注意したいのが車です。
エリアによっては車が必須になり、保険・ガソリン・駐車場・車検などの維持費が増えることがあります。
家賃が下がっても、車が1台→2台になると家計は大きく変わります。
子育て世帯は「自治体制度」で差がつく
子育て世帯の場合、保育・医療費助成・給食費などの支援は自治体で違いが出ます。
転職先を決める前に、候補自治体の子育て支援を確認しておくと失敗しにくくなります。

簡易シミュレーション:年収が下がっても楽になるケース
ここではイメージが掴めるよう、概算の比較表を示します
(扶養・住宅ローン控除・保険料率などで実際は変動します)
※以下は家計のモデルケース(例)です。地域・家族構成・通勤手段・保育利用・保険料率などで変動します。
※あくまで一例ですが、「何が逆転要因になるか」を掴むための比較です。
| 比較項目 | 都市部(例) | 地方(例) | ポイント |
|---|---|---|---|
| 額面年収 | 550万円 | 500万円 | ここだけ見ると不安になりやすい |
| 家賃 | 10.5万円/月 | 7.0万円/月 | 差:3.5万円/月(年42万円) |
| 通勤 | 電車+外食増 | 車/在宅で変動 | 時間と支出の両方を見る |
| 車 | 不要〜1台 | 必須の可能性 | 2台になると家計が変わる |
この例では年収が50万円下がっても、家賃だけで年42万円差が出ます。
さらに通勤費や外食費、通勤・残業時間まで含めて比較すると、実質手取りと時間の余裕の両面で、生活の余裕が増えるケースは十分にあります。
IT職・エンジニアは地方でも維持・UPが狙える理由
IT職・エンジニアは、地方でも年収を維持・向上させやすい条件があります。
ポイントは「需要があるスキル」を「成果の再現性」とセットで示すことです。
- スキルが職能として評価されやすい(言語、クラウド、セキュリティなど)
- リモート/ハイブリッドで商圏が広く、地方でも高単価案件に触れやすい
- 地方企業でもDX・内製化が進み、需要が伸びる領域がある
一方で「地域相場」で提示されることもあるため、交渉材料は“実績の再現性”です。
職務経歴書には、成果を数字で書き、担当範囲・技術スタック・工夫を具体化しておくと評価されやすくなります。
後悔しないためのチェック表(面接〜内定後)
内定が出たあとに「思っていたより厳しい…」となるのは、比較項目が抜けているときです。
以下を埋めれば、判断ミスが大幅に減ります。
1)固定費チェック(毎月の支出)
- 家賃(駐車場込み)
- 車(必要台数、保険、ガソリン、車検、駐車場)
- 通勤コスト(時間+定期/ガソリン)
- 保育・学童・教育費(自治体制度も確認)
2)手取りチェック(控除の差)
3)将来の年収が伸びる会社か(最重要)
- 評価制度:評価基準が言語化されているか
- 昇給:過去実績(昇給率/平均昇給額)を説明できるか
- 役割:入社後6〜12か月の期待成果が明確か
- 働き方:残業の実態、リモート可否、育児制度の運用実態
まとめ:比較軸を変えると、結論が変わる
- 地方転職で額面年収が下がることはあるが、固定費(特に家賃)で逆転する場合がある
- 比較は「年収」ではなく、手取り+固定費+時間で行う
- 車コストや自治体制度など、地方特有の変数も忘れずにチェックする
- IT職・エンジニアは、成果の再現性を示せれば地方でも維持・UPが狙える
地方転職の「手取りと生活費を含めた実態」を求人ベースで一緒に確認しませんか?
「この求人、実際の手取りはいくら?」「家賃相場を踏まえると生活はどうなる?」など、お金の不安は一人で計算すると抜け漏れが出やすいです。
当社では、希望条件(年収・働き方・勤務地・家族状況)を伺い、求人票だけでは見えにくいポイント(評価制度・働き方の実態など)も含めて整理したうえでご提案します。
まずは問い合わせフォームから、状況を短く書くだけでOKです。